ことしの本棚83『サウスポー論』

福岡ソフトバンクホークス優勝おめでとうございます。感動的な秋山監督や内川選手の涙でした。今日の第7戦は、TVの前でフル観戦しましたが、またもや投手戦で、だいぶ息が詰まった感じの試合でした。結局、TVの横に置いた本も読む間もありませんでした。

ホークス3点目となった内川選手のセンター前ヒットが、最もすっきりした場面だったと思いますが、運悪くこの時に家の電話が鳴って(今日鳴ったのはこの1回だけなのに…)リプレイを完全に見逃しました。

『サウスポー論』(和田毅×杉内俊哉/KKベストセラーズ)

きっと日本シリーズのタイミングに合わせて出されたこの本を、日本シリーズが始まる前に見つけましたが、今日の結果、この本は今年の日本一チームの2人の左腕エースが語り合った本ということになりました。しかも杉内投手は今日の試合の勝利投手。この本がこれからどれだけ売れるのか、楽しみです。

さて同じ“投手”と言っていいかどうか、僕自身だいぶ疑問はありますが、僕も草野球では投手をやっています。チームでは監督兼GM兼マネージャーなので、僕が投げることに反対するチームメートはいません(笑)。でも、一応お伝えしておきますと、投手成績は去年は8勝1敗、今年は試合が少なくて2勝2敗ですので、まだ投げるのを許されている訳です。

読んでいて楽しかったのは、2人とも“早めのバッター勝負”と言っているところです。ストライク、ストライクと2球続いた場合、キャッチャーがボール球を要求することがよくあります。僕はこのボール球がムダだと思っているのと、ストライクが確実に取れる訳じゃないからボールを1球でも投げたくない、バッターは追い込まれてるんだから有利な状況で際どいストライクを投げたいと思うのです。

はずそうとしても、どうしてもストライクゾーンに行ってしまって、それがかなり中途半端な好球になる場合が多いので、キャッチャーとの間で最近は“遊び球”なし、という約束をしています。そういうレベルの話ではないし、同じボール嫌いでもレベルは大きく違いますが、日本一チームのエースが同じような考え方をしているのは、かなり嬉しいです。

「炭酸水には血行を良くする効果があって、基礎代謝を上げたり、疲労回復に優れているそうです」という箇所には、太いラインを引きました。酒を辞めて1年と7ヶ月が過ぎましたが、飲んでいた時は先ずビールだったので、いま宴席ではソーダ水を飲んでいます。疲れた時に飲むシュワッという感覚は、ビールに匹敵します。そしてこんな効果があるなら、これからますますソーダ水を飲むことになると思います。

今日のTV解説で、野村克也さんが、投手の腕の振りが大事ということを言っていました。ストライクを取りに行く、つまり野球ではボールを置きに行くという言い方をしますが、置きに行った時には腕の振りがゆるい訳です。そしてピンチの場面でも腕を振れるかどうかは、その投手の度胸(精神力)によると解説していました。

腕の振りについてはこの本にも出て来て、和田投手が杉内投手に教わったそうですが、変化球のひとつであるチェンジアップを投げる時には、直球以上に腕を振る、という部分です。僕はチェンジアップは投げられませんが、ストライクを取りにいこうとボールを置きに行くことがよくあります。いつも同じように腕を振って投げる、それを来シーズン、いや今シーズンあと1試合残っているので、その試合からの新しい課題にしたいと思います。得るものがたくさんあった、今年最後のプロ野球でした。

ことしの本棚 第83回 針谷和昌)

hariya  2011年11月20日|ブログ