ことしの本棚77『日常にひそむ数理曲線』

『見えない壁を壊す!』(米田功/光文社)を前回ご紹介しましたが、いま、体操の世界選手権に携わっていて、毎日世界トップの体操を見るとともに、世界81ヶ国の選手たちの躍動する姿を間近で見ています。体育館とホテルの往復の毎日、大会自体10日間、ホテル宿泊体制での準備も入れると20日間の長丁場のため、ゆっくりとこの「ことしの本棚」を書いている時間がありません。でもせっかくの体操漬けですから、体操に関する本を前回の本も含めてご紹介します。


『コマネチ
若きアスリートへの手紙 』(ナディア コマネチ/鈴木淑美 /青土社)

『ベラ・チャスラフスカ 最も美しく』(後藤正治/文藝春秋)

『日常にひそむ数理曲線』(佐藤雅彦 監修/小学館)


コマネチとチャスラフスカは往年の女子名選手。コマネチはとにかくカッコよくて、この本の表紙を見て、以前この写真を絵に描いたことを思い出しました。2人とも今回の大会に合わせて来日するようですので、その姿を見るのが楽しみです。

『日常にひそむ数理曲線』の中には、日本女子体操のエース・鶴見虹子選手の写真が載っています。北京オリンピックの時の平均台のフィニッシュの瞬間を、連続写真6枚を1枚の写真に合成して紹介されています。“放物線”がテーマです。

もう1冊、FIG(国際体操連盟)の写真集をご紹介します。今回の大会の事務局には僕の机もあるのですが、一応、いつも綺麗にして殆ど机上にはものを置いていません。そのせいか、僕の不在の間は皆がいろいろと作業に使っているようですが、大会も間近に控えたある日、この本が机の上に置いてありました。何のためかわからなかったのですが、表紙と中身を写真に撮ってみました。

『OBJECTIF AN 2000』(FIG)


体操はスポーツとアートの融合という言葉がぴったりくる競技です。写真集はもっと出てきていいのではないかと思っています。

ことしの本棚 第77回 針谷和昌)

hariya  2011年10月11日|ブログ