読書と仕事と飲酒と映画

以前は複数の本を、かわるがわる読んでいた。多い時で7~8冊を同時期に読み、その時の気分によって読む本を変えていた。それが最近出来なくなって、たとえ2冊でも栞を挟んだページを開いて続きを読もうとすると、そこまでの話を完全に忘れている。そうなるとまた最初から読まなければならない。それでどうしても買った後にちょい読みしたい場合を除き、同時並行読書はやらないようにしている。

同じようなことが仕事でもある。以前はいろいろな仕事をやりながら、同時に次から次へと進めていくことが出来た。ある仕事をやっていて、別の仕事、さらに別の仕事、またさらに別の仕事と続けていっても、しばらくして最初にやっていた仕事に戻ると、前回の続きからすぐにスタート出来た。ところが最近は、すぐに頭が戻らず、どこまで進んでいたっけ?と前回とったメモなどを確認してから、再度取り掛からなければならず、仕事間のインターバルが少しだけ長くなった。

どちらも“すっかり”ではないけれど、かなり“すっきり”忘れている。そして “すっかり”忘れるこわい経験もある。

毎日ではないが、仕事を一応終わらせて夕方から酒を飲む。たくさん飲むと、翌日飲んでいた時のことを殆ど覚えていない。そういう状態がしばらく続いた後、とうとう飲む前のことも思い出せない時が出てきた。逆行性健忘症?これはかなりまずいと、飲む量をセーブするようになった。

最近は飲む回数と飲む量が減ったので、その分、読書に回せる時間は多くなるはず。でもその分、映画を見るようになった。以前は家では殆ど映画は見ないと決めていた読書家だったけれど、今は逆に映画を毎日1本ペースで見ている。長男が映像を仕事に選んで作品を生み出すようになって、“映像”というものをもっと知ろうと思ったのがきっかけだ。

読書量は減った。けれども、購買量は以前と変わらない。まだ読むことが出来ずにいる本が、どんどん溜まっていく。

(針谷和昌)

hariya  2023年12月12日|ブログ