日々本 其の三百十二「Steidl」

2日に1回、このページを更新するために、本を読んでは書き、本を買っては紹介してきた1年数ヶ月を経て、書くために読んでいる自分に気がついて、パッタリと止めてみた。何かが掲載されると1ヶ月のカレンダーのその日の色が変わり、2日に1回だとチェッカーフラッグみたいになるのが嬉しいという、単純な動機で続けてきた割には、実行するのは結構大変だった。

それで止めてみたら楽になるかと思ったら、ラク(楽)にはなったけれどタノ(楽)しくなくなってしまった。何だかこのまま文章が書けなくなっていくのでは?という根拠レスな不安も生まれてきた。ということで2日に1回とか自分を縛らないで、でも最低1週間に1回は書くという感じで、また始めてみようと思う。

具体的な再開のきっかけになったのが今日の朝刊。『世界一美しい本を作る男~シュタイデルとの旅』というドキュメンタリー映画が紹介されていて、各地のミニシアターで上映されているとのこと(朝日新聞「扉」)。シュタイデルという人も出版社についてもまったく知らなかったけれど、調べてみたら渋谷でやっている。シアター・イメージフォーラムという行ったことのない映画館で、上映時間が 10:50~、19:15~、21:15~ の3回。これを見ていた時間が 9:30、夜の映画鑑賞は今日はちょっとないし、今週末まではやっていそうだけれど、なんだか今朝が唯一のチャンスだと思えて、あわてて支度して観に行った。

シュタイデルさん、ドイツ人だけれど、英語を駆使して世界を飛び回る。そして世界的な写真家や作家の本を作る。彼らと本作りの打合せをカメラがずっと追っていて、1冊1万ドルになる、なんて会話が出て来たりする。そういう本気なやりとりの後のちょっとした会話が楽しい。「(素晴らしい本作りをしている人について)あなたはこの10年は私と言ったけれど、では未来は私はもうダメなのか?」みたいなことをシュタイデルがとあるオヤジに真面目に突っ込み、その直後2人で爆笑するシーンなど、好い大人の会話である。シュタイデルさん、ちょっとだけ見た目がカルロス・ゴーンに似ている。

『How to Make a Book with Steidl』
(映画『世界一美しい本を作る男~シュタイデルとの旅』パンフレット/テレビマンユニオン)

観に来て良かったなと思いながら、帰りがけに映画パンフレットを購入。500円。それがこの写真。これは映画製作者たちがつくったパンフのようで、中身はそれなりに面白そうだけれど、こういう映画だからこそ、もっと高くても、それこそ100倍しても、シュタイデルさんが作ったパンフが売っていたら、みんな買うんじゃないかなぁ。いゃ100倍は厳しいか、20倍ぐらいなら(笑)…。

日々本 第312回 針谷和昌)

hariya  2013年11月24日|ブログ