日々本 其の二百二十四「散策絵図」

『多摩川散策絵図』(村松昭 作・画/アトリエ77)

南武線・府中本町駅から京王線・府中駅の方面へ向かう。その途中の、列をつくっているラーメン屋の客の間を通って、この書店の中に入る。入って出て来たお店の人と話をしているうちに、このお店に並んでいる地図や絵本の作者であり画家であるということがわかる。その話っぷりも画も気に入って、家の近くを流れている「多摩川」の散策絵図(という言葉もここで初めて知った)を買った。

この道は何回か通っているけれど、今回初めてこんなお店があることに気がついた。往きは時間がなくて「何だろう?ちょっと面白そう」と思いながらも通り過ぎ、帰りには時間があったので寄ってみたのだが、買った後、珍しく「良いお土産を買った」的な嬉しさを感じた。

家へ帰ってきて改めて広げてじっくり見てみると、作者の想像力が並大抵でないことがわかる。空でも飛ばないかぎり、こんな絵は描けないはずだけれど、どうやって描いたんだろう?とにかく、作者は人間より鳥に近いのでは。“空中絵師”と勝手に名付けてみた。

(日々本 第224回 針谷和昌)http://booklog.jp/users/hariya

hariya  2013年4月11日|ブログ