日々本 其の九十九「ballgame」

9.11の前まで、アメリカ国歌は純粋に良い曲だなぁと思っていた。メジャーリーグ(MLB)の試合だったり、オリンピックの表彰式だったり、そういうところで演奏されると、歌詞を知っていたら歌いたいなぁと思っていた。メジャーリーグでは7回になると、“Take me out to the ballgame”が演奏されるが、こちらは息子の教科書に歌詞が載っていて、イチローのシーズン安打新記録を見に行く旅の前に覚え、シアトルのセーフコフィールドで思いっきり歌った。

9.11後も、アメリカ国歌すなわち“The star-spangled banner”を歌いたい気持ちは変わらなかったのだが、あまり大きな声で歌うのがはばかれるような、そんな気持ちがどこかにあった。なので積極的にアメリカ国歌の歌詞を探そうとはしなかったのだけれど、この本に出て来たので、自然の流れで歌ってみた。かなり難しい。



『超入門 メジャーリーグの英語』(烏賀陽正弘/PHP研究所)

著者は元・東レのビジネスマンで、独立して現在は国際ビジネス・コーディネーター、著述家、翻訳家。これまでに野球英語本は何冊か読んだけれど、“面白い”ところをピックアップして書き始めていて、さらに逸話も豊富に取り込まれているので、ずっと楽しく読めた。

例えば、先日のマイケル・サンデル『それをお金で買いますか』(鬼澤忍 訳/早川書房)との関連で面白いなと思ったのは、“The Strength to Be There”(それで力が出る)という言葉(p084)。

06年ナショナルリーグチャンピオン決定戦第7戦でメッツのシャベス左翼手が、このAIGの広告としてのフレーズが書かれた外野フェンスの前でホームランを防ぐファインプレーをやり、TVに映し出されて全国に知れ渡った。それでマイナーリーグの20の球場の外野壁にもこのフレーズを掲出したそうだ。プレーと広告がリンクする。これが現代のメジャーリーグの先端なのである。

さて“Take me out to the ballgame”の方はイチローの新記録から8年も経っているので、だいぶ忘れていた。今回この本を見ながら何回か歌ってみて、次の機会にはきっとちゃんと歌えそうなところまできた。今年東京ドームで行われたのメジャーリーグ開幕戦には間に合わなかったけれど、また似たような試合がやって来くるまでに、この歌も国歌もしっかり歌えるようにしておきたい。

日々本 第99回 針谷和昌)

hariya  2012年7月23日|ブログ