『せいきょう』第127号

『せいきょう』(発行:慶應義塾生活協同組合理事会/編集:教職員委員会/2011.7.15 第127号 夏号)にて 本の宇宙コーナー を取り上げて頂き、私共が文と写真を担当しました。その全文をご紹介します。

「三田書籍フロアー 『本の宇宙』お薦め本コーナー 〜先輩たちから学生たちに本を通じたメッセージ〜」

私たち「本の宇宙」は、慶應義塾の150周年記念事業「福澤諭吉記念文明塾」の1期生を中心に創った一般社団法人です。本を通じて、考えない「楽」から考える「楽」しさを多くの人が感じて、知の循環を生み出し、最終的には今までにない新しい図書館を創り、そこからまた新たな知が生まれることを目標としています。

昨年はサッカーワールドカップの開催前から大会期間中にかけて、東京・渋谷にオープンしたサッカー日本代表応援オフィシャルカフェに『サッカー  本の宇宙』を開設し、1万5千人を超える方々に150冊の本を楽しんで頂き、閉店後にはすべての本を日本サッカーミュージアムに寄贈しました。

また今年は、『被災地の高校生に本を』と題して本を募り、岩手・宮城・福島・愛知(避難地)に本を贈りました。引き続き『東日本大震災の被災地に本を』と題しての本の贈呈活動を行っています。

もうひとつの今年のメインプロジェクトが、今回ご紹介する『 “[就活]一瞬 [仕事]一代 [読書]一生” 就活だからこそ本を読むチャンス―経営者・先輩達が薦めるこの1冊!』です。

この特別展は、4月から始まって7月中旬の夏休み前まで続きます。この約3ヶ月半にわたって、就活生へ向けて、単に就活の面接や試験に役立つ本だけではなく、就活をきっかけとして本を読み、仕事とは、仕事の面白さとは何かを考えたり、さらには人生における読書の楽しさを味わうきっかけになれたらと考え企画しました。

慶應の諸先輩方に選んで頂いた本や、日本の代表的な経済誌である「プレジデント」と「東洋経済」の2誌とタイアップし、経営者たちが薦める本を慶應出身の経営者を中心に並べています。さらに、私たちの母体である福澤文明塾の修了生が「この1冊!」をコメント付きで推薦し、これらを合わせて合計300冊以上の本が並ぶと共に、レジでは特製の栞、そして推薦本の全リストもご用意しています。

お陰様で今回の特別展は好評とのことですが、私たちの活動が現役学生にとって少しでも役に立てばと思います。タイトルにもある通り、就職してからの時間は長く、働いているうちにさまざまなことが起こります。あるいは仕事後の人生もあります。そんな中で、常に皆さんの傍らに本があり、読書によって新たな自分に出会い続けられることを願い、今後もまた新しい企画をご提案していきたいと考えています。

【本の紹介】

福原義春氏(資生堂名誉会長)推薦書
『箴言と考察』(ラ・ロシュフコオ/内藤濯 訳/グラフ社)など計7冊


佐治信忠氏(サントリー会長・社長)推薦書
『名僧百言 智慧を浴びる』(百瀬明治/祥伝社)

◆田幡直樹氏(元 日本銀行信用機構局長)推薦書
『戦後世界経済史-自由と平等の視点から』(猪木武徳/中公新書)など計11


慶應出身経営者推薦書(出典:プレジデント社、東洋経済新報社)
茂木友三郎氏 (キッコーマン会長) 『考え抜く社員を増やせ!-変化に追われるリーダーのための本』(柴田昌治/日本経済新聞社)など計18冊

◆福沢諭吉記念文明塾生推薦書
長田邦佳氏 (味の素) 『人を動かす』(カーネギー/創元社)
加藤啓介氏 (ニッセイアセットマネジメント) 『ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル』(照屋華子 岡田恵子/東洋経済新報社)
藪内成基氏(JTBパブリッシング<るるぶ情報版 海外シリーズ編集担当>) 『三国志』(北方謙三/角川春樹事務所)
杉本洋平氏 (三井物産) 『白いネコは何をくれた?』(佐藤義典/フォレスト出版)
俵輝道氏 (ミスミ) 『「日本の経営」を創る』(三枝匡 伊丹敬之/日本経済新聞出版社)
森本隆司氏 (東京ガス) 『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司/あさ出版)
藤井輝久氏 (三井住友銀行) 『日本はなぜ敗れるのか』(山本七平/角川グループパブリッシング)
廣瀬慎一朗氏(日本IBM) 『なぜ、働くのか―生死を見据えた「仕事の思想」』(田坂広志/PHP研究所)
金築道弘氏(全農) 『ザ・ブランド 世紀を超えた起業家たちのブランド戦略』(ナンシー・ケーン/樫村志保 訳/翔泳社)
中谷任良氏 (リコー <研究開発>)  『理科系の作文技術』(木下是雄/中央公論新社)
駒井敬之氏 (国分)  『坂の上の雲』(司馬遼太郎/文藝春秋)
鈴木三津子氏 (臨床心理士) 『プロカウンセラーの聞く技術』(東山紘久/創元社)
菊地保宏氏 (日本航空) 『思考の整理学』(外山滋比古/筑摩書房)
肖慧潔氏 (デロイト中国) 『勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来』(ロバート・B・ライシュ/清家篤 訳/東洋経済新報社)
三井田有紀氏 (広告代理店) 『後世への最大遺物』(内村鑑三/岩波文庫)
河本敏光氏 (KDDI) 『人生論』(トルストイ/米川和夫 訳/角川文庫)
針谷和昌 (本の宇宙) 『最高齢プロフェッショナルの教え』(徳間書店取材班/徳間書店

◆経営者推薦書(出典:プレジデント社、東洋経済新報社)
新浪剛史氏 (ローソン社長) 『目に見えない資本主義』(田坂広志/東洋経済新報社)など計261冊

(一般社団法人 本の宇宙)

hariya  2011年8月17日|トピックス, ニュース, プロジェクト